糸(ライン)の選び方
釣りに使う、竿先から鉤先までの糸の部分全体を「仕掛け」といいます。糸は、道糸とハリス(鉤素)の2つの部分で使用します。
道糸は、竿先からハリスを結び付けるヨリモドシやワカン(輪環)がある部分までのことを言います。
ハリスは、ハリにつけた糸の部分のことで、通常は道糸に比べ2ランクぐらい細いものを使用します。概ねの目安としては、道糸の太さを現す号数表示の半分です。
例えば、ミチイトが1号ならハリスとして使用する糸は0.5号以下、太めにしても0.6号までです。
理由は、仕掛けが根掛かりした時や魚を取り込む際にバレて後ろにある樹木などに引っかかった時のためです。
ハリスをあまり強いモノにすると、根掛かりが外れず仕方なくハリスを切ろうとして竿を引っ張った時に、ミチイトのヨリモドシやウキ止め部分、最悪の場合にはリリアンに止めた竿先のところから切れてしまいます。
仕掛けを作り直す手間ももちろんですが、大切なウキを失ってしまう場合もあります。
最近では、ナイロン系の糸だけではなく、フロロカーボンやダクロン系の糸、金属糸なども釣りで使用されるようになってきました。しかし、へら鮒釣りでは、ほとんどの人がナイロン系の糸を使用しています。
道糸
へら鮒釣りの標準的な道糸の太さは、4-10月頃までの魚の活性が比較的高い時期には、0.8号から1号です。
大型を狙う特殊な状況では、1.5号や2号、時には3号といった太い糸を使用する場合もありますが、ほとんどの釣り場では0.8-1号で十分です。冬季には、0.6号から0.8号と細目にします。
糸も進化してきて、昔と比べるとはるかに強くなってきました。体感的には3倍ほども強くなった気がします。できるだけ細い糸を使用したほうが、釣果も上がりやすくなります。
ただ、細糸はからまったり、切れたりとトラブルも多いので、はじめのうちはやや太めにしておくと安心。ビギナーには、1号がおすすめです。
ナイロン系の糸にも、水を吸収するものとあまり吸水しないタイプがあります。見分け方は、ピンと張っているタイプにはあまり吸水しないものが多くなります。
へらぶな釣りの道糸に適しているのは、ある程度「伸び」のある、吸水するタイプのナイロン糸です。さらに沈みやすいことも大切です。
伸びが必要な理由は、最近のカーボン竿は反発力が強く設定されたものが多く、「合わせ切れ」と呼ばれる、アタリがあり、竿を上げた瞬間にハリスにかかる力に耐えられずハリス切れを起こしてしまうことが多いからです。そのため、ある程度の「伸び」を道糸に持たせ、ハリス切れを防ぐわけです。
ナイロン糸は、およそ10%伸びると言われています。海釣りをしたことのある方はわかると思いますが、リールで遠投した場合ナイロン糸はかなり伸びを感じることができます。
この合わせ切れを防止するために、クッションゴムなどというものも売られているようですが、ほとんど利点はありません。クッションゴムを利用することで、絡みが多くなったりするトラブルが多発します。無視してもいいと思います。
合わせ切れを防ぐために一番効果があるのは、道糸にタルミを作らないことです。常に穂先からウキまでの道糸が張っている状態なら、合わせ切れもまず起こりません。
糸の比重も大切です。ヘラブナ釣りでは、穂先からウキまでの道糸を沈めます。これは、風や水の流れの影響でウキの位置がずれるのを少しでも防ぐためです。
「ヘラブナ釣り専用」の糸は、この比重を大きくして沈みやすくなっているものが多くなります。
余談になりますが、ダクロン系の糸はナイロンの3倍以上の強度があり、摩擦にも強く良さそうな気がしますが、比重が軽いので水に浮きやすくなります。さらに、柔らかく腰がないので穂先に絡みやすくなります。
海釣りなどでは、当たり前になってきたダクロン系の糸がへらぶな釣りでほとんど使われないのには、こんな理由があります。
ハリス
道糸と比べ、数段細い糸を使うのがハリスの部分です。細いほうがエサの落下が自然になり、魚にとっても喰いやすいようで釣果も上がります。
道糸を1号にした場合のハリスは、0.4-0.6号が標準になります。4-10月頃の魚の活性が高い時期には、0.5-0.6号を使うといいでしょう。
へらぶな釣りでは、ハリは2本ありますが、ハリスどおしが絡まってしまうトラブルがよくあります。このトラブルは釣りをしている際にも気になるもので、できるだけさけたいところです。
ハリス絡みを防止するためには、3つの方法がおすすめです。
1つは、下バリと上ハリでハリスの号数を変えることです。例えば、上ハリスを0.6号にして下ハリスを0.5号にするなどです。通常、よく魚がかかるのは下ハリなので、下の方のハリスをヘラブナが食いやすい細目のものにします。
上下のハリスの太さを変えることで、ナジミのスピードやしなやかさが変わるのでカラミが減ります。
2つ目の方法が、同じ号数でも糸の銘柄を変えることです。銘柄を変えることにより、しなやかさなどが異なるので絡みが少なくなります。
3つ目の方法として、ハリスに結ぶハリの号数を変えること効果があります。ハリの重さが異なると自重も変ってくるので、ハリスのなじみ方も変わってきます。
上下でハリを変える事には、もう一つ利点があって、魚にハリスを切られた場合、短い方のハリスが切れたのか長い方のハリスが切れたのかがすぐ判別できることです。
糸の結び方
糸が切れるのは、必ず結び目や浮き止めゴムのある部分です。これは、結び目をつくることにより、糸の強さが減じられてしまうためです。ですから、いかに糸の持つ力を減らさないで結ぶかということが大切になってきます。
簡単に出来る方法としては、結び目が解けない範囲でなるべく締め込まずに結ぶことです。
ハリスやハリの結び方にも数十種類がありますが、それについては、また別ページで解説したいと思います。はじめに、自分のできる結び方でいいですから、できる限り強く引っ張らずに結ぶコツを習得してください。それだけでも、かなりの効果があります。
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