野釣りの魅力
釣り堀や管理釣り場の釣りと違い、慣れと幅広い技術が必要になるのが野釣りです。それだけに野釣りの愛好家には、ほんとうの意味でのへら鮒釣りのベテランが多くなります。
真っ暗な湖上に舟を浮かべて夜に巨べらを釣るナイターやポイントなどもよくわからない山の中のダム湖、普通の技術ではとても竿を出すことができない、本流での流れ川の釣りなど、へらぶな釣りの魅力は本当に幅広く奥が深いものです。
道具も多く、体力も必要になりますが、管理釣り場や釣り堀である程度技術を習得したら、ぜひ野釣りにチャレンジしてみてください。
初めのうちは、魚の放流がよく利いている、精進湖や三名湖、三島湖といった準野釣り的な釣り場がおすすめです。
タフでハードな野釣り
管理釣り場や釣り堀では、竿を2-3本にウキ、1本物の短い竿掛けや玉網を持っていけば釣りになります。
しかし、野釣りとなると最低でも竿は、5-6本、できれば7-8本は持って行きたいところです。ウキもその竿に合せて持つと、数十本が必要になります。
さらに、2本物の長い竿掛け、直径の大きな玉網に長い玉の柄、釣り座を作るための釣台などが必要になってきます。
この他にも、水の増減が予想されるダム湖などでは急な斜面を重い釣具を持って降りるためのロープなども用意しておきたいところです。釣り堀などと違い、飲食も自前で必要です。
こういったタフでハードな思いをしても、野釣りにはたまらない魅力があります。へら鮒が釣れた釣れないということより、チャレンジする面白さがあるのが野釣りです。経験豊かなベテラン釣師が多いのもうなづけます。
初めての野釣り
初心者がいきなり釣り人の少ないAクラスの野釣りにチャレンジするのは、無理もあるし危険さえも伴います。
まずは、準野釣りともいえる、魚の放流が利き多くの釣人がいる釣り場に出かけてみてください。最近では、三島湖や精進湖などの野釣り場でもボー止めのロープがあったりして、釣るための環境が整備されています。
野釣りの場合、ボート釣りなら釣台はいりません。ただ、20mほどの、ロープを用意しておくとさまざまなところで重宝します。このロープは別にそれほど丈夫でなくても構わないので、100円ショップなどにもある太めのロープで十分です。
びん沼や精進湖の陸っぱりなど、岡釣りの場合は釣台が必携品です。竿は、シーズンにもよりますがあまり短いものは、水郷や堰の一部をのぞいて必要ありません。
11尺(3.3m)以上ぐらいからが標準なります。できればなるべく長い竿は必ず用意したいところです。18尺か19尺、余裕があれば21尺あたりまで竿バックに入れておくと安心です。
最低でも、11.13.15尺(または12.14.16尺)の3本はそろえてください。このあたりが、野釣りではたいへんなところです。
初心者に、いきなり21尺などという長竿は振れないので、だんだんに使う竿を長くしていき、振り込みなどがスムーズにできるように練習してください。
陸釣りでの注意
ポイント選定が、野釣りではもっとも重要になります。
シーズンにもよりますが、ワンドがあればワンドの両方の入り口付近、突端があれば突端の先などがたいていは良いポイントになっています。
ダム湖などでは、地形の傾斜を見ることも大切です。水の上に見える傾斜はそのまま水の中に続いていることが多く、カケアガリをある程度は予想できます。
過去に実績のあるポイントを調べておくのも役に立ちます。
また、魚のモジリ(ハネ)を見ることも魚がいるかいないかの判断になります。
現在ほどヘラブナが大量に放流されることがなかった時代には、「一ハネ千貫」とも言われ、モジリのあるところが重要視されていました。
釣り台を安全なところに設置するのはもちろんですが、かけた魚を取り込む際のことも必ず確認しておきます。
魚が障害物などに駆け込むとバラシの原因になります。竿を立てた時に引っかかる樹木が後ろや上にないか、なども確認が必要です。
ボート釣りでの注意
ボートを止めるにも、何通りも方法があります。
一番手軽でかんたんなのがロープ止めで、釣り人の多い釣り場にはよく設置されています。ロープに舟のオールの金具部分をヒモで結び付けるだけです。
ロープがないところでは、水竿による舟止めが一般的です。2本の水竿を岸や水底に指して舟を止めます。これは水深が深くなると、思っているより大変で、それなりの経験が必要です。
一人で水竿で舟を止められるようになれば、まずは野釣り初心者から抜け出したと言えます。
水竿での舟止めに関しては、いろいろと小さなコツもあるので、そのうちに別にページを作って紹介しようと思います。
もうひとつの方法が、アンカーロープによる舟止めです。3点止め、4点止めなどがありますが、かなり説明が必要なのと、最近ではほとんど見かけることがないので別の機会に紹介しようと思います。
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